新卒採用についても数式にできないか考えてみる

2025年9月6日(土) 17時38分59秒 | 18 view |

前回の続編です。



新卒採用についても同じように考えられないかなということで、整理してみました。
ただ、新卒採用は中途採用に比べて検討要素が多いため完成度については低めです。

新卒固有の事情

新卒は中途と違って職歴がありません。スキルは学生時代に資格取得などで証明することもできますが、いわゆるガクチカなど、新卒採用固有の事情は多分に含まれていると思います。
そのため、前回示したPV(市場価値) = S + rEはあくまで中途採用に閉じた評価指標であると言えます。

新卒と中途はそれ以外にも様々な要素が違うため、新卒価値(FV:Freshman Value)を定義しようと思います。
なお、BMIは子どもの発育を評価するのには使えない(例えば新生児で身長50cm体重3000gと平常でもBMI12とかになる)ため小さいうちは成長曲線を使うなど、スコープを定義して指標を区別することはよくあるので、FVとPVそれぞれで考えることで良しとします。

新卒固有の要素

もっぱら新卒採用ではスキルや経験よりもガクチカやポテンシャルが重要視される傾向があります。
その裏付けとしての実績や経験、またはSPIや玉手箱のような能力チェック、エントリーシートなどの定性情報が使われている印象です。
式として表すにはそれらの要素が主管要素なのか、波及要素なのか、衛生要因なのか、乗算なのか加算なのかなどを整理していく必要がありそうです。

FVの算出式(暫定)

GPTと議論しながら作り上げてみたのですが、以下の様な式でFVを算出可能ではないかという結論に至りました

2つの式に別れてしまいましたが、構成要素としては以下です

  • F | 定着性(Fit) : カルチャーフィットがあるか、継続力があるか。結果として組織に定着してくれそうか。 
  • S | スキル : 資格取得や講義歴など学生時代に得たスキルとして立証可能な要素
  • d | 内発係数 : 動機が内発的か外発的かによって変動する係数。自分の意志でロジックを立ててやったものなら高く、課題や講義で触れたなど外発的なものなら下がる傾向
  • E | 経験 : 開発やバイト、学会参加などあらゆる経験
  • Gr | 成長性・向上心 : 継続的に伸びそうかどうか、現状に満足していないかどうかなど。これも対話で定性評価される項目
  • IQ | 知能 : 論理的思考力や言語被言語能力など。SPIや玉手箱のようなテストで定量評価
  • EQ | 傾聴力・協調性・メタ認知 : 心のIQと言われる。対話で定性評価される


要素を踏まえて上記の式を解説すると、以下のような特性を持っています

  • 定着性Fはそもそも育ててもやめてしまうという恐れがある場合、採用にするかどうかに大きく寄与するため衛生要因として捉え全体の係数としました。
  • Fは、そもそも就活生に胆力があるかといった能力的な話と、その企業のカルチャーと就活生の性格があっているかといったマッチング的な話が混在しているのでここは分けるか、胆力や継続力はSやEに入れ込むのが妥当かもしれません
  • PVではマッチ度はPV→とEV→の内積で算出していたものの、FVではFが全体に掛かる設計となっているため絶対値としてマッチ度が出力される構造になっており、FVとPVの設計思想に大きな違いを生んでいます。中途に比べ0ベースで評価される新卒採用なのでそのような式にしたのですがここは検討の余地が大いにあります。
  • S + dEの箇所についてはPVのS + rEと酷似しています。ただ掛かってくる係数がロール係数ではなく内発係数となっています。これはいかに主体的に動いて得た経験だったかを重視する傾向があるためです。巷でよく言われるガクチカはdEの部分を指しています。
  • 新卒採用でよく上がるポテンシャルの部分はPとして別の式に分けました。実際0ベースで評価される新卒採用はスキルや経験よりもポテンシャルで評価される事が多々あり、構造的にはポテンシャルそのもので大きくレバレッジが掛かる部分だと言えます。
  • ポテンシャルの構成要素としてはIQとEQとGrで、それぞれテストや面談などで定性定量評価をされている印象です。このポテンシャルはFVの本体のような部分であり、Pが低いとどれだけリソースを企業が割いても積み重ならないため単純に乗算でありながら、企業によっては最重要視している企業も多い印象です。
  • ポテンシャルの構成要素についてはMECEでない気がします。特にEQとGrはカブる部分も多い印象。EQとGrの違いについては、EQは能力的な側面でGrはモチベーションなどエネルギー的な側面で切り分けています。どれだけ能力があってもエネルギーがないとポテンシャルに寄与しませんからGrは全体に掛かっています。
  • FVはS+dEを一つのまとまりと捉えるとすべて乗算の単項式であり、スキルと経験が0なら価値0のように暴論に聞こえてしまいます。これに対してはスキルやガクチカは何かしら全就活生は練っているので、S+dE>0は確実であるため、あとは定着性とポテンシャルでどれだけ引き上げられるかという整理にしました


まとめ

PVにくらべFVは構成要素も多く、各企業によっては構成要素の重み付けは多種多様でしょうから一般式として落とし込むのはPVよりも高難易度そうです。
ただ、「新卒はポテンシャルで見られる」「ガクチカが大事」といった新卒採用でよく聞く言説をうまいこと式に落とし込んで言語化できた気がします。

つまるところポテンシャルとガクチカの掛け算にフィットするかどうかが衛生要因としてかかってくる というそれはそうだろ的な結論でしたね。新卒戦略に落とし込むとしたら、dの高いEを行いSを貯めれるなら貯めて、今後も継続して私は伸びていくんですよという証左としてP(IQ,EQ,Gr)を上げるトレーニングを行い、最終的に面接の場で会社とのマッチングFをお互いすり合わせていくと、そういった一つ一つの行動が結果としてFV向上につながると、そんな当たり前の結論となりました。

※本記事での主張は著者が所属する組織の公式見解ではなく、あくまで著者個人の意見です。